生きている人なんかみんな楽している
川が山から流れている
山は紅葉している
鷺は静かに狙い澄まして
頭脳の影に思い出もあるのだろうか
死んだ人の苦しみを思うと
研ぎ澄ました瞬間もない生活の中で
新しい朝が差し込む
新しさを感じることもない暮らしの中に
差し込めば殺されるだけの場所に
何度も差し込もうとした
孤独を
諦めを
強さを
カティーサークを飲んでいた夜にも
本当は酒を捨てたかったことを
煙草にまみれて駅前の喫茶店で
近頃体調を崩して肌にも苦しみを感じて
それが冬の毎回のことだとしても
そこのない暗い夜の四日市
東京の夜はもっとくらい父がまだそこに生きているような大気圧
代々幡のコーヒーの味に何も読むもののない苛立ちの中に
中国の茶を飲んでなんとかしようとしている
風が吹け我らを老いさせながら
愚かさを加速させて
墓場の隙間から草が生える
爽やかな風が草の根本から生じる
激しく働きたい全てを忘れて弱さと無意味さを克服するために
罵詈雑言を吐きたい
優しさで苦しまないためにだ