いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

死にたい世界の片隅に

死にたい世界の片隅に

苔を生やした箱庭のような四日市駅はありました

組長、死にたい世界の片隅に

少しは良い思い出を得たのですか。

研ぎ澄まされた可哀想さに

閉じ込めたまま圧力をかけて粉砕しなさい

最後の言葉を見たかった

みかんがこの世の終わりの色なら

あなたが誰かに殺されたなら

仕方ないとしか言いようがない

それ以上の終焉はない

いくつもの場所で不在を確かめるだろう

閉じ込めたまま圧力をかけて

肌が砕けて怖くても誰も来ない場所で

海辺の不在を思うだろう

最後まで誰も迎えに来なかった

可哀想としか自分を思えないだろう

どうせ一緒に見ていた人もいない

島のことを話す相手もいない

どうせただの島じゃないか

研ぎ澄まされた寂しさの中に

誰も自分を知る人もない

誰も昔の波の音を思い出してくれる人もなく

誰も迎えに来ない場所で

誰もいないカプセルの中で粉砕されて液体になる

空にハイハイ地にサイサイ

どうせ誰もいない場所で深く不在を抱えたままで

朝食はハイボール

また酒を飲むと言われて五臓の孤独を埋めるためだよ

酒なんか大嫌いなのよ

海が視界から消えたからそれで死んだと気づきました

夜のニュースにならないでとろけるまでは流れたい

できない何もできやしない僕が

世界を作ったのだ

何もなかったところに

何もできない死んでしまえばよい僕を作った

手のひらを合わせた空間に

息を吹きかけて僕は四日市駅はここにあった