いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

いいかい

いいかい僕はどうせ死ぬ

冷めたこたつに右足を入れて

補中益気湯を飲む

誰にも電話をしたくない

なぜ僕を責めるのか

弱かっただけ不自由だっただけなのに

もういくらもお金を使わないまま

新しい人たちが来るだろう

家族を大事にしましょうねみたいな写真展

何も言えないよ自分は

家族じゃなくて夫が好きなだけだから

その為にこんなに遠くまでこれた

もうどこにも遊びに行きたくない

仕事がしたいのだ

未来に対してできることは

仕事をすることだから

野菜を育てることだから

昨日の仕事があるので

私には自分の同一性が感じられる

すべての家族が死んで

私は夫と私として

いえ私とあなたとして

丘の上に立つ

自由でみんなが死に絶えて

海が見えるような世界で

その日からまた私は仕事をするだろうか