いいかい僕はどうせ死ぬ
冷めたこたつに右足を入れて
補中益気湯を飲む
誰にも電話をしたくない
なぜ僕を責めるのか
弱かっただけ不自由だっただけなのに
もういくらもお金を使わないまま
新しい人たちが来るだろう
家族を大事にしましょうねみたいな写真展
何も言えないよ自分は
家族じゃなくて夫が好きなだけだから
その為にこんなに遠くまでこれた
もうどこにも遊びに行きたくない
仕事がしたいのだ
未来に対してできることは
仕事をすることだから
野菜を育てることだから
昨日の仕事があるので
私には自分の同一性が感じられる
すべての家族が死んで
私は夫と私として
いえ私とあなたとして
丘の上に立つ
自由でみんなが死に絶えて
海が見えるような世界で
その日からまた私は仕事をするだろうか