いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

来年も今の仕事?

お金を管理する仕事が嫌いだ。常にハラハラする。

私は自分のためのお金ならばちゃんと管理できる。支出が収入を上回らないようにする方法を自分で考えたことがあるので、そのようにしている。金は貸さない借りない。けど仕事となると自分のルールでは管理できない。前の人たちが設定した環境を引きずり、それに振り回されてしまう。そうするとすぐに心配になってしまう。一日中なにかいいことがあるたびに、思い出してしまう。

私は債権管理を担当してるのだけれど、これはシステムとかで管理されているわけではない。帳票確認から、債権の計上も、請求書発行も、債権回収も、債務との相殺も、入金されていないときの督促通知発送も、督促とかも全部自分発信で自分の手で作業しないとできない。だいたい、エクセルでかなりの部分を行う。アクションを見逃せば全部流れていってしまう。滞留した債権のリマインド通知とかもない。小さい規模であればこれで良いかもしれないが、色々な業務と重なると、しばらく入金見れていないし、債権も形状漏らしていないか心配だし、債権が滞留していないか心配だし、基幹システムとサブシステムの間で連動データがズレていないかも心配だし。ずれていたとしてもシステムの人に聞いてもすぐに答えなんか来ないし、聞いている時間ももったいないし、これでもうひとり誰かやめたらどうなってしまうんだ!という状況。

上司が変わるたびにやり方が変わり、システムも改修され、目立つところだけ改修したらそれで終わる。あとは「運用でカバー!」。

こんなことは賢い人、気力のある人でないとできない。ボーッとしていて気力のない人でも回せるような仕組みにしないといけないと思う。しかしそれはちゃんとしたプロセスのある会社ということになる。ちゃんとしたプロセスのを維持する、実際に使うには時間がかかる。

 

あるひとがそれをやってる間、違う人が他の仕事をやっている必要があり人手が必要である。

 

人も足りない時間も足りないという状態できちんとしたプロセスをふまないとみたいなことを望んでも対応できないらしい。

 

思い浮かぶのは「昔の正しい人」。私は少しでも不備のある帳票では絶対に債権計上いたしません!というような人。この掟を守り抜くことが私の命です。

いかに上長の許可を得てあ用途も添付されている帳票に少しでも瑕疵があれば請求書は発行しない!というような姿勢。

 

しかし現実に商売がそこで失われてしまうこともありうる。その時自分はどこで妥協するのか、しないのかというジレンマがある。

 

正直妥協にはいつでもどんな言い訳でもある。「上長が承認してたから」「クライアントが早くしないと契約更新しないと言ってくる」「スタッフが間に挟まれて気の毒だ」などなど。でも妥協は妥協じゃないかと思う。こんな決断は社員にさせるべきではないし、させない仕組みにするべきだ。

 

会社をはじめて最初のタイミングから気を抜かないで債権をきちんと管理し、エクセルで管理しきれなくなったら楽に管理できるサービスにしっかり投資して移管する。これがとても大切だと思う。管理する人が恐怖しなくて済むシステムが必要である。

 

こんなのは本当に憧れる…もっと勉強が必要だ。

【債権奉行クラウド】|債権管理、入金管理・入金消込システムのOBC

 

仕事で相手の会社の経理の人と話すとき、相手が上場企業だとやはり全然チェックしてくることのレベルが違う。

 

こちらは債権残高があっているかを確認している。月ズレ計上になったと聞けば、あ、そうですか。わかりました。

あちらは、同じようなシチュエーションでも、ちがう。なぜか今月だけ計上が月ズレを起こしているが、前年はずれていなかった。今回はなぜずれたのか?ずれないようにする方法は?と聞いてくる。請求書の渡し方、双方担当者について詳しく聞く。

 

粉飾決算が起きるたびに、なんでこんな売上の半分も架空計上になってしまったのか、みたいなことが話題になるが、個人的な考えでは、ひとえに周囲との折り合いのせいだと思う。最近コミュニケーション能力がもてはやされているが、これはある意味周囲との折り合い、調整、妥協のうまさのことではないか。

それが許されない職種もあると思う。無理である。このような存在もコミュニケーション能力で採用するとどうなるかといえば、粉飾決算になりうると思う。

なにか聞かれて確かめずに即答えるとか融通を聞かせるような能力は、例えば経理にはあるべきでないように思う。

売上高4割水増しも 東証1部のグレイス、粉飾の手口: 日本経済新聞