いのちばっかりさ

生きている記録。生業。通信制大学。天平の甍、生の短さについて、狼煙

いちどしか歩かない静かさ

何度も女性を連れて来るのだという

私は面倒だから最後の女性だけ見たいと思う

同じことを何度も繰り返すのはうるさい

山並みも一回で描かれている

もしもこの世の中が迷った鉛筆の線のようなら

すぐ自殺していたと思う

一度しかないから思い出すこともあるかも知れず

しかし私は昔を持たない

何度も繰り返す人がむしろ昔を思い出すのかもしれない

昔を振り向くことはない

私は違う人間だから

過去にはいなかった自分自身と思うことで

この世界は一本の線で書かれた

非常に自由度の高い飛行

一つ一つ決め打ちしてきた

だから子供を欲しくないのかもしれない

もし子供がいたら自分の過去と同じことをするかもしれない

そのとき殺さずにいられるだろうか

自分にまた同じことを経験させる生き物を

山並みも一般の線で描かれているというのに