いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

散歩

若い女性が何人か

横一列に並んでその間に若い男性が挟まっていた。

ある者はパソコンを開き

ある者はペンを握り

ストローの紙袋を弄んだ

儀式のように集中力のない目を伏せている

別の喫茶店を除くと緑のチェアに

並んだ若い女性が

儀式のように同じ方向を向いて座っている

ノートに詩を書くものは

一人もいない

バスの運転手は営業所で交代する

向かいでは対極を象徴する人々が声を上げて

ビールの音をたてる

銀座と名付けられた通りが日本中に存在する

真っ直ぐなうねうねしたコンクリートの道

はじめと終わりにある古びた看板

あらゆる儀式に馴染めずに

わたしたちはあるき続け

桃を送る相手を考えている

ローソンで

小江戸ビール

ギネスを二本買い

部屋に戻って

安心しながら久しぶりのビールを飲んだ

不似合いな虫である私達のキッチンは

取り替えられようとしている

だから私達は少し足を浮かせて

怪我をしないようにしている