いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

駅前の古本屋

 

駅前の古本屋を金曜日に見ていたら、千夜一夜物語全巻が、たったの900円ばかりだ。店主が出てきたので、安すぎやしないかなと言った。富士日記の三巻セットおいているかと聞いたら、置いているよと言ったので、いくらかと聞くと1000円。買ってしまう。

 

この本がとても好きで、そのとき上巻しか読んでいないけど、買ったら、なんかこの本のきもちが自分にもしみついてしまいそうで、所持するべきではなくて、図書館で何度でも借りればいいと思っていた。

 

相変わらず、心に決めたことと反対のことを口では言ってしまったり、お金を払ってしまったりする。いったいどういうことだろう。多分心の深い部分で納得できていないのだろう。ほしいと思ったらほしいし、食べたいと思ったらやはり食べたいし、大体の場合我慢できるのだが、置かれた状況が不快すぎてしかもそのものを手にした時の気持ちが快感すぎたりたり、欲しいものが欲しすぎるという思いが何度も繰り返されて自分に刻み付けられてしまったりすると、ふとしたときに突破のために自分に禁じたことをしてしまう。

 

私は知り合いの会社で働かないかと誘われているのだが、今の会社でもう少し頑張るべきかなと思っている。先輩にいじめられているので、今の会社ではそろそろ部署移動になりそうだ。部署移動になれば、まず自分の経歴ではふつう組み込まれないであろう部署で働くことになる。単純に面白みがあると思っている自分がいる。私は何でもスペシャリストというより、広く浅くかじって、結果として自分の世界観を充実させていきたいと考えるほうだ。

 

ただ今の会社は良くも悪くも人間がおかしい。

人格がひん曲がって視野狭窄に陥っている人ばかりだ。怖いと思う。

私は周りの人の思考から影響を受けてしまうほうなので、とても怖くなっている。すでにいろんな部分がおかしくなってきている気がする。給料をもらっても、思考は一生もの。ここで壊されてはたまらないと思う。

だけど現実には、ちゃんと仕事以外の本を読む時間もなく、ひどい人間と触れ合っておかしくなってきている。そもそもみんなここで認められたいという気持ちが強すぎて怖い。上司に認められるためになら人も陥れる。なのに認められたいと思っているその上司は、ロレックスして自分のことしか考えていないとはた目からもわかる貴族だ。同じデスクの先輩同士が大声でけんかしている。どうかしてるな。その横で新卒の女性はあきれ果てている。あなたたちが新卒の時に、あなたたちの先輩はそんな風にくだらないことで大声で喧嘩していたんですか、恥ずかしくないんですか?と言いたくなる。本当に恥ずかしいしお山の猿以下。

特にやりがいもないので、ただ「間違えないで仕事をする」人が評価を落とされないというだけの状態。私とは相性が悪い。

それを思うと転職したほうがいいのかなとも思う。新しい職種を経験したところで、3年間この会社で働くのは無理だ。東京に来る必要があったので転職しましたが、同じ部署の先輩が大声で罵り合っていて、また同僚も悪口ばかりだったので、私は嫌になりました。もともと人の罵り合うのが嫌いで、毎日のことに耐えられませんでした。さらにはサービス業ではなく、手に取れる製品を作る会社でやはり働きたいと思った。というような転職の理由は、ありうる気がする。この東京で必死で耐え抜いて年収1000万円を目指すような人には許されない転職理由だが、私はそんな人間じゃない。正直そんなこと大事じゃないと最近ほとほとわかった。

 

 

駅前の古本屋のような店を私も持つことができたなら、そんなに素晴らしいこともないのにな。

暇があると疲れて気力がないので空き家バンクとかUIターン転職とかの求人見てたりする。が、問題はそれでは何も解決しないので、もっとちゃんと考えなくてはいけないのだが、職場での労働時間が長く、刺激も強すぎるので、もっと家の中で過ごせるようにしたい。何をしたらずっと家の中で過ごせるのだろうか。

 

私は自分の名前が大好きで、それは全然他人の存在を感じさせない、素朴な名前だからだ。なんといっても万葉集からとった雅な名前だ。

 

のし梅食べたい。

 

富士日記(上) 新版 (中公文庫 (た15-10))

富士日記(上) 新版 (中公文庫 (た15-10))

 
富士日記(中)-新版 (中公文庫)

富士日記(中)-新版 (中公文庫)

 
富士日記(下)-新版 (中公文庫)

富士日記(下)-新版 (中公文庫)

 

 

 

 

前の職場で大根の抜き方を教わった時のことを思い出した。

あんな風に人と会話することも都会の職場では難しい。手に大根を握って上下に動かすときの気持ちおもいだした。あの時はこんなことしている場合じゃないという思いがいつもあって、気がせいていた。

 前の職場は人命を軽んじていたのであれはあれで本当に悪い場所だった。