空虚だ
いちばんの食事を食べなかったので
別れのときにいちばんの言葉を持ち合わせなかったので
空虚だ
冬の風が私には関係がなく
すこしの不器用を恐れたから
空虚だから
同じことには関心を持てなかった
未来を見ていて
死ぬことになったら過去のことはもう思い出だせないので
少しも一年は閉じようともしないど
光がずっと死まで続いていて
髪を切ろうとしたら
まだ全然伸びていないように見えて
やはり切るべきだろうと規範が
毎月の時刻を言う
自分はここ数年の結実でありながら
まだ中指は上に引かれている
露天の野菜など見向きもせず
部屋に帰ってまんじりともせずに立ち止まり
部屋の真ん中でPCを立ち上げた
関連のない仕事が溢れ出し
地域一帯に真っ白な光が立ち込めている
愛を抱きしめてこの人生を閉じて
東京を見かけないようにしよう
土から起き上がらないよう
土偶の死体になるために
夢から出てぎたぎたになるためにこそ