https://www.jstage.jst.go.jp/article/lecgsa/17/0/17_61/_article/-char/ja/
AI監査の時代の前に考える「ITに関する監査」の実務上の課題(著者 嶋矢 剛)2020年
という論文。読むのに3時間くらいかかってしまった。毎日1時間と決めたのに…
でも実務でシステムを使っている自分としては、なんとなく業務で不安に思っていたことがもろに書いてあったので、一本目の論文からこんなにドンピシャならやはり読んだほうがいいなと思った。
わかったこと(ミスリードもあるかも)
- 監査法人の会計監査チームに、IT専門家がいないという状態がままある
- この状態は、望ましくない。いまの経理のデータはだいたい他のシステムからデータを別システムに反映するなどして記録されているので、データを扱えたり、システムの連関などを理解できる人がいないと危ない。
- 一般に公認会計士と会社のIT担当者が話をしても話がうまく噛み合わないことが多い。
- ITのわかる公認会計士は不足してる。またはうまく関与できていない場合も多い。
- ITシステム(SAPなど)の設定が、不正を誘発しているシチュエーションもある。
- 売上計上の権限のある人が売上入金消し込みの権限を持っていることはよくない。
- 仕訳テストなどをしても不正を発見することは容易ではない。
疑問に思ったこと、気づき
- 監査における仕訳テストというのは何なのか。
- SAPでは権限を付与している人と、その権限の設定を確認できるというが、他のシステムからデータが来る場合、その他のシステムでの権限はSAPでは多分確認できないだろう。この考えは正しいだろうか。
感想
- 私が実務で不安に思っていた(ふとしたときにうっかり不正なことができてしまう環境にいるのではないかという不安)ことを書いていてくれたので、本当にそのとおりだと思った。不安に思っていたことはおかしくなかったのだと安心する部分があった。
- 工場の棚卸しなどやったことがあるけど、棚卸しの不正ってそうやるのか!と思う内容が書いてあって、感心した。たしかにそうすれば不正ができるな!こういうことは始めたらやめることができなくなる(やめたらバレる)と思った。悪いことは始めたら終わり。
- なんとなく改善していく方法も考えられて救われた気持ちになった。
個人的な話なのだが、隣人がすごいずっと叫んでいて、多分メンタルやられてる人なのだが、心配すぎる。それを聞きながら論文を読んでいたら辛くなってしまった。あのようにならないためにも勉強である。