三島由紀夫と聞けば、ほろ暗く思春期を思い出す......ん、いや、そういう感傷的なことはあんまり書きたくないのである。
「はてなキーワード」によると、三島由紀夫の命日を憂国忌というらしい。三島の短編小説『憂国』にちなんでつけられたのだろう。作家の命日というのは、そんなふうにして名付けられることが多いみたいだ。このWikipediaのページ(文学忌 - Wikipedia)に、「文学忌」として作家の命日がまとめられている。
このなかで、命日の名称がよく知られているもので言えば、
桜桃忌:太宰治(6月19日)
河童忌:芥川龍之介(7月24日)
の二つが特に有名だろうか。
しかしこのWikipediaのページに有名作家の名前と命日がさらりさらりと並べられ、整理されているのを見ると、「ああ、誰しも死んだのだなあ。誰しも死んで行くのだな。」としみじみ哀しく、そして惜しい。私もいつか死んで行くのだ。それが本当に哀しく、惜しい。
さて私の感傷は置いておいて。三島由紀夫について感傷的にならずに、わりと面白く話せることを話すとする。
まず三島由紀夫の『憂国』は、三島本人の原作・製作・脚色・監督・主演によって作られた映画版があるそうだ。これは新潮社から出ている『決定版 三島由紀夫全集〈別巻〉』に納められているが、高価な上に、レンタル禁止なので、私は観たことがない。もしご興味がおありでしたら、是非ご覧になり、どんな映画だったか教えていただきたいです。(追記:と、思ったけれど普通のDVDも出ているみたい。ツタヤで借りてみてみようかな。)
私がこの全集『決定版 三島由紀夫全集』の内でお勧めしたいのは『決定版 三島由紀夫全集〈41〉音声(CD)』のほうで、これは私も聞きましたが、本当に面白いです。内容も面白いですし、三島の喋り方もわかって興味深いです。始めて聞いたときは、平成生まれの私としては、「えっ?三島由紀夫ってこんな喋り方だったの!?」と驚きを隠せませんでした。みなさんがお聞きになってどう思われるかは分かりませんが、私は、「な、なんか雅な喋り方だな」と感じました。
まあ考えてみれば三島が雅な喋り方をするのは納得できるんですよね。三島は戦前の学習院の初等科、中等科、そして高等科に通っていた人です。そのあと東大法学部に行き、役人をして、専業作家になった。この『決定版 三島由紀夫全集〈41〉音声(CD)』には『対談「青春を語る」』が入っていて、これ、本当に笑えるんです。学習院に居た頃にどんないたずらをしたとか、本当に面白い話が聞けます。学習院とはいえども雅なだけではないな。学習院だからこそこんなこともやったのか...などなど色々面白いです。あとほかにも三島由紀夫が英語でスピーチしている音声なども入っていたと思います。ちなみに三島由紀夫が歌っている歌も収録されていたと記憶しています。
こちらはレンタル禁止ではないとおもわれます。お近くの図書館などで借りることが出来ると良いのですが。
休学中ながら法学部の学生としてコメントしておくと、三島由紀夫は東大の法学部で団藤重光という(故人ですが法学界や死刑廃止論者の間では超有名な)刑法学者の講義に感銘を受けて、団藤先生の著書を大切に持っていたそうです。でもこの話はどこに書いてあったかおぼえていないので、情報元をお知らせできず残念です。団藤先生についてもいつか書きたいですが、そのまえにもっと勉強せねばなりません。
なんだか今日はあつくなってしまいました。三島の代表作(の中から勝手に選んだ)のリンクなどを貼っておきます。それでは。
あと団藤先生の本も。まずは私が挫折した本をあげねばなりませんね。笑
いつかちゃんと読んでこのブログにも何か書きたいです。
これ以下の本は一般の方にも易しいです。