いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

この世界の川

この世界のどうしようもない物を抱えて

台湾に渡った

蟻のように必要で

エボラ出血熱のように容赦がなかった

体の中の血を犯した

咳をごまかす人たちは歩いた

自分の影に怯えるのは初めてだった

それは夜だったが

今までの東京のよるとは違っていた

生きたいと願うまでもなく

汗が濡らすことも愛した

大切なことをずっと望んでいた

突然の死など望まなかった