2021-08-30 この世界の川 この世界のどうしようもない物を抱えて 台湾に渡った 蟻のように必要で エボラ出血熱のように容赦がなかった 体の中の血を犯した 咳をごまかす人たちは歩いた 自分の影に怯えるのは初めてだった それは夜だったが 今までの東京のよるとは違っていた 生きたいと願うまでもなく 汗が濡らすことも愛した 大切なことをずっと望んでいた 突然の死など望まなかった