いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

東南アジアの国の会社と合弁作るとか言ってるが

 東南アジアの国の会社と合弁作るとか言ってるが、会ってすぐわかってるはずだ。あの人たち我々よりすごいぞ。我々は資本を持っているだけじゃないか。

 

 相手は3、4ヶ国語は楽々話すのに、我々は通訳がいないと何もできないと言っている。相手は日本の技術を学ぶとか言っているけれど、あれは大丈夫なのか。我々は昔からやっているだけで、人に教えられるようなネタを持っているのか。大丈夫なのかこの会社は。大手のプライベートブランドに魂を譲り渡してヨボヨボやっているのに。もはやベンチャーの心意気に戻らなければならないようなものなのに。

 

 よく堂々と合弁相手と握手できたものだ・・・。日本人がなんだ・・・日本企業がなんだ・・・私は実際を知っているぞ。リース資産ばかりじゃないか。ボロボロじゃないか。人を巻き込んで殺す機械だってまだあるんじゃないか。

 自分たちが発展途上であるというふうにはもう考えられないのだろうか。こちら側のレベルが低すぎる。

 

 だいたい大手のプライベートブランドをどんどん製造委託受け入れてしまうなんていうのは、自分の製品開発に自信がないからだ。あれは自分の得意とする製品分野(例えば納豆なら納豆分野)の売り場を競合他社に取られないように、ただ単に市場における自社商品の割合を増やすために製造委託を受諾してしまうのだ。つまり、もし自分の会社がプライベートブランドを作ることを断って、競合他社は受け入れたら、競合他社の製品シェアが増えてしまう。そうさせないために、その話を持ちかけられた時点でいち早くプライベートブランドを作らねばという魂胆なのだ。

 

 でも本当は、その市場で戦い続けられず、差異化できないのであればその市場から退却すればいい。また新しい差異化できる分野で製品開発すればいい。それなのに死にかけた市場で勝ち続けるためにプライベートブランドを受託して、他社の抜け駆けを防ごうとする。そもそも他に勝ちたいと考えるときに、自分が新しい戦術を考えるのではなく、他人がフィールドに上がるのを阻止しようとするなんてどうかしている。メーカーなら開発力で戦えよ。結局大手流通の影にかくれて姑息な手を使った後に大手流通にぱくんと食われるだけだ。

 

 工場で働いている人たちを見てくれ。あの一番忙しい工場で働いている人たちなんか目がいっている。けど作っているものは自社ブランドじゃなくてほとんどが大手流通のプライベートブランドなのだ。阿呆らしいと思わないのか。新しい商品を開発する人材もそんなところには来ない。ヘッドハンティングできる経済力もない。

 

 プライベートブランドが売れれば売れるほど大手流通の言うがままに単価を下げ、そして単価の下がったその市場で、自社ブランドも太刀打ちするために単価を下げなければならない。どんどん単価は下がるのにどんどん製造しなければならない。どんどん開発力がなくなってしまうし、新しい人も来なくなる。そんな干物みたいな状態まで人間を痛めつけて働かせて一体なんになる。資金を投下しないで、古いものばかりに埋め尽くされた工場の従業員が誇りを持って働けると思うのか。

 

 経営者はどうかしている。本当に働いている人にペイしていない。人事も人事。この学歴コンプどもめ。優秀な人材が入ってきても生かすことができない。学歴コンプ持ってる人事が学歴があるだけじゃなくてちゃんと勉強してきた人を、学歴だけと断じて潰してしまう。人事なら人を活かそうと思わないのか。根性がない、やりたい仕事しかやろうとしないと断じることなんか誰でもできる。人事の仕事はそれじゃないと思う。どんな人間でも入ってきたら生かす。自分で採用したのなら自信を持って生かす。そうあるべきであろう。

 

 だいたい、やりたい仕事を指定して志願してきた人を採用したのなら、やりたい仕事をさせればいい。その仕事をする前にトンチンカンな部署に行かせて、「まずはそこで働くことになっている」「勉強のために必要だ」なんて変だと思う。それならいっそ最初から本志望の部署に行かせて、自分で次に学ぶことを考えさせればいい。違う部署に行くことが学ぶために必要ならば、そいつ自身にそう言わせるように、仕事をさせればいい。

 

 まずは違う部署に行かなければならないなんて、おじさんの感性だ。今の若者はすぐにネットで次の仕事を探せる。休日にウェブ面談できる。なんで自分の人生を無駄にして希望と違う仕事をしなければならない。明日死ぬかもしれないと考えているのが若者なのに、なんでそんな悠久の感性に付き合わなければいけないのか。次はないと思っているのが若者なのに、なぜ今までもあったからこれからもあるはずと過信しているおじさん感性に付き合わなければならないんか。「これっきりじゃないだろうから、気を楽にして」とか言われると、もう最近心の底から腹がたつ。同じ考えであいつを追い出してしまった。

 

 そんな考えわがままだと思うかもしれない。でも田舎の中小企業にとって優秀で学歴もある若者、いや、ちゃんと勉強を続けていこうとする若者は得難い。獲得できたことは奇跡だと思う。大抵は若者を得ることができても、地元だから、ここでゆるく勤めていこうと思っている若者だ。改善しよう、使命を果たそうと考えている若者は、本当に得難い。それを無下にしてしまって、本当に虚しい。そんな若者を獲得できたら、他の不満を押しのけてでも確保しておく必要があると思う。確かに業務に精通している古くからの社員は必要だ。けど本当に今やっている業務を3年後もやっていて会社は潰れないのか。この仕事を続けていけるだけの工場の維持をする資金を投下できるのか。もはや工場自体捨ててしまうしかないようなことにならないのか。製造業をやめないと社員を守れないようなことにはならないのか。

 

 ツーかリストラしないとか言ってたけど、体良く辞職扱いにしているだけじゃないか。リストラよりひどいじゃないか。何もリストラクチャーされていないからリストラよりひどい。