2020-08-29 団地来 この団地では 皆ひとしく白く 椅子はみんなのためのものです 生きていくのになんの穏やかさも強制しない 本物の穏やかさは染み出す 葛藤のままいつも歩き回っていい 夜中には夜露をなめる そう虫のように 毎晩死んで ひとしくなにか苦しんで 朝を眠らず迎えたり 紅茶に髪を浸したりする それが 私がくらした団地です 命が短すぎるからもう 暮らしていくためだけに飽きていたくはないのです