いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

中江

どのような道にもバスが通っている

夜でもそのオレンジの文字盤が大丈夫

タスクはすぐにアウトプット

冬でもサンダルで歩く

クール宅急便行き交う

この街の10月末に

なくした猫にはもう会えない

親子喧嘩をしたからさ

トロイの木馬はもう返せない

嫁の姿をしてきたせいで

存在的には可愛く見えたが

恐ろしい歌を歌ってきたのよ

5年だったら聞こえてきたから

やっと気づいて狼煙を上げる

木馬は目を細めて何かを言った

時の流れは激しくてたとえ猫には会えなくなっても

たとえ家屋を失ってしても

この夜だけを耕して思い出にすることは甘えだ

図書館の光を見たときに私は心のパソコンを開く

交差点で私は読んでいた本に指を挟んで待つと

ここではねられてしぬわけにはいかない