いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

紫陽花

紫陽花の中で腐っている人間を見たのは

その夜だった

マスクをしていないボーダーの男と

下水道工事の機械と

ばらつき始めた雨と

眩しい工事電球と

作業をする高齢の男性たちがいた

蕎麦屋は休業中で 

夢みたような世界は

静けさに満ちあふれている

降り始めた雨をバスが

すれ違って照らしたとき

その雪の情景に全部の自分を悲しませた