いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

CORONA

見上げると立派なマンションの部屋は

窓を開け放って、

中には病院の待合みたいな

爽やかな海の絵がある

ひたすら阻害的なものとしてみたので

花の香は

うつりにけりなされど香れば

春はわたしにも平等にきたれりと

すごくおもった

平成は見捨ててゆけり

されどいま春は私を豆腐屋の前に引き出し

花の香りに満ちた

新しい故郷をおもって

ひたすらに阻害的な今日を

背中で弱々しく燃やした

 


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