真夜中に一輪買った花を見ていた
くたびれたような枯れないような
微妙なバランスの花だな
上を向かせようとすると滑らかに戻る
この後ろから見た
項の様子などは母だ
くたびれたこの肌といえば
触ると冷たく
戻るとき横に首を振る
女の象徴のような花
首を立てに降って欲しいと
強く願った
首を縦に振ると
花も首を立てに振るった
なおも縦に振ると
縦に振った
激しくひとしきり縦にふれたあと
ラナンキュラスのピンク色の花は
身をよじり隣の雪化粧のサボテンに
思いの丈吸い込まれていった
排出されるように
夜のサボテンの中に身を打ち付け
花は消えた
まだ緑の蕾を何重にも隠していた
サンウェーブ製の流しに
指が凍りついている1月
ゴミ袋の裏からは呼吸が聞こえつついる
左ひじが痛んでくる