いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

年明け

こうやってだんだん死んでいくじゃないか

冬は新年になっても厳しいですが

春はあなたの死んだ季節ですから

用心していこう

 

私は金儲けがしたくない

安いものを仕入

高く売るような仕事がしたくない

この世で曖昧な所有権の枠に

収まらないというだけの

それをしめしめとくすねるような

骨のうずく商売をしたくないのです

 

故郷の家族の不確かな

仕事は

私に言葉を書くよう促します

どこにもいないふるさとの家族に

抱かれて

この大地を愛した

この言葉を愛した

あふれる涙も

霞んだ指先も

ペンを握った手をいたみ

窓に押し付けて山を求めるとき

湖が一斉に雪を映し

稲穂は勢揃いに決起した

あの遺言のない死のように

私に巻き付いて

この冬を生きろと

私のことを一人にしないでほしい