いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

金曜日のこと

朝9時まで寝た。今日は有給だ。しばらくプーアール茶を飲んだりして休んでいたら、家の前の庭が騒がしい。草の分けられる音がする。大きい黒い犬が寝転んでいた。隣の家の犬だ。可愛いので旦那と二人で話しかけていたら、隣の女の人が出てきて挨拶してきた。この家最近女の人が変わった気がするけど気のせいかもしれないから何も言わないでおく。前は違う女の人が奥さんみたいな感じだった。だがたとえ確実に変わっていたとしても、女の人変わりましたねなどというものではないと思った。もし一緒に庭で遊ぶようなことがあって「女の人変わったの気づいているでしょう。実は・・・」などと言われるようなことがあれば、その時は「私人の顔を全く覚えられないんですよ」などと受け答えするつもり。実際よく覚えていないし。洗濯物とダウンを干した。そのような話には一切触れ合わないで暮らしていたい。

このどこかの記者が前死ぬ前の日記をまとめて出版したのを読んだのだけど、娘夫婦が訪ねてきて離婚の話をしたなどの一言一句まで書き出しているもので、死ぬ前にこんなこと考えたくないしこれを公にするなんてどうかしているのではと思った。

 

その後晴れていたので気持ちがすっきりしてきて、バスに乗って二人でメガネ屋さんへ行った。メガネ屋さんは服装に全く頓着しない様子で、スーツには何かの汚れがついている。でもメガネのことになると話がすごい。今の日本のメガネはだいたいチタンフレームで、その中でもニッケルが入っているのとチタンのみのやつがあるとか、日本製のメガネの多くは福井県産です。とか。メガネの種類が多すぎてなかなか選べない。色が明るいやつもいいかと思ったけれど、旦那が最終的に選んだのは今のと形が似ていて、色が少し茶色がかったメガネフレームだった。眼科でもらった処方箋を渡してお願いする。会計は受け取り時とのこと。3ヶ月はレンズの保証があり、もし度が合わないなどの問題があれば、もう一度眼科で処方箋をもらってきたら無料でレンズ交換してくれるらしい。安心だ。会計はだいたい5万円かからないくらい。

 

帰りは歩いて帰ることにして、応援しているジャズ喫茶でアラビアータを食べる。旦那はよつばとを読む。私はバナナブレッドのプディングを読む。バナナブレッドのプディングははっきり言って意味がわからない。こんな風に思いつきのままに人生を弄するのとそれによる摩擦によってアイデンテティを確認するのはなんだか人間の本性だと思う。程度の差はあれ、このような要素のあるエピソードを一つか二つ人生の話の中に持っておかないと面白みのない人と言われるようなきらいがある。

 かくいう私も何らかの思いつきによって人生に屈折を生じさせて楽しんでいる。私は大して何も望んでいない人間かもしれないのに、何かを望んでいるように思い込もうとしているのかもしれない。会社の決算なんかやっても私には何の面白いこともないから自分は銭湯をやるんだとか思っているのもそれかもしれない。(でももし決算などに必死になって夜遅くまで働いている今こそが屈折で、今度こそまっすぐな道に戻ろうとしているのだとしたら・・・?)

たとえば子供が二人生まれた後に浮気をした自分の親なども多分人生に屈折を生み出し、まっすぐに振り返れない道をわざと作り出したのかもしれない。まっすぐな道それは恥ずかしい。そう思う気持ちもわかるしまた時代や文化がそうさせたとも思うが。時代や文化に翻弄されることが気持ち悪いし馬鹿だなと私は思っている。そうならないために本を読めばいいかなと思っている。

 

ジャズ喫茶を出てみかんを買って帰宅した。ジャズ喫茶にいる時からなぜかめちゃくちゃ眠い。旦那の足が痛くならなくなって長く歩くことができるようになったのでよかった。


f:id:giveus:20201113170046j:image

 

よつばと! コミック 1-14巻セット

よつばと! コミック 1-14巻セット

  • 発売日: 2018/04/28
  • メディア: コミック
 

 

 

バナナブレッドのプディング (白泉社文庫)

バナナブレッドのプディング (白泉社文庫)