いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

牙のあるF

生活から僕を放り出してくれ夕暮

鈍色にひかるF

食堂に遅く現れるF

牙を隠すようにして冷食を食べている

王族の名残を光らせつつ

古墳に決して登らないF

夜勤明けの光に目を曇らせることもなく

鉄塔と劇物タンクを背景にそそり立つF

今日はよく会いますねと言われて

午後にまた二度会うのは

この工場がいかに小さいかということだ

怖気付いたらそこで終わりだ

この小さな場所では