痛みがいたましいて
堂堂巡りなんだ
世間がまだ生きている
体を髪を指を
折って殺すなら
連鎖して人は命を投げ捨てでも
保存されたいと願って書く
離れ離れになるなら
命を投げ捨てでも
海の底で朽ち果てようとも
痛みなど物ともせず
そのままで
見つめあった瞳を閉じる
保存されなくとも
自分の中に好きな人に触れた部分だけ
残って終わるためには
だから何も持たなかった
何も
メロディーさえ体から引き離して
素朴な音だけで
愛を伝えていた
二人で無に還るために
深呼吸で
冷たい水が流れ込んだ
肺の奥まで生きている時から
もう大丈夫だろう