いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

就活とお金

 私は本年24歳である。

 

 18歳まで生きたときには、よくも18歳まで生きたと感心したし、愚かなことだなあと思っていたが、20歳まで生きたときにはただ苦しいなあと思っていて、どうせやりたいこともないし、世のため人のためにでも生きるかと、気力がなかった(世の中にはこういう気力のない若者も居る)。今年は24歳になるわけだが、よくもまあこんなひどいスペックで生きてきたものだとおもう。

 

 今言うべきことは、お金はとても大切だということである。

 お金がないと考え方に幅がなくなる。今日食べるもの、今日かいた恥、今日稼ぐこと、今日、いま、今日、そして未来が見えない。ある程度のお金があれば、スペックの低さは補える。いつも注意しているのにコートを汚してしまう。それならもう一着あれば洗濯に間に合う。鞄を入れ替える際、いつも鞄に入れるべきものを忘れてしまう、それならもう一セット分買って、今日はそれをもっていけばいい。一つの教科書じゃTOEICのことがよくわからない。それならもう一冊かって同時に見ればいい。駅まで歩くだけで疲れてしまう。それなら雨の日はバスで行けば良い。就活である会社の日本語しか話せない人の募集枠は狭き門だ。それならベルリッツにお金を払って英語で面接してもらえるように英語を鍛えればいい。

 

 私の人生は家族と金に依って操られた。というよりは家族が金を操っていたので私が操られたのかもしれず、結局キーワードは金なのかもしれない。もちろん金があれば家族と一緒になんか居なかったことは確信済みである。

 

 就職した暁には、お金を他人のために使わず、貯金に勤める心算である。日頃の出費を切り詰める憂鬱は、お金がなかったり借金をしているときの憂鬱とは比べ物にならないと思う。

 

 就職活動には少なくとも30万円のお金がかかると思う。スーツと就活鞄をそろえるだけで8万円ほどかかる。常識的な就活をするならスーツも二着必要だし、鞄もそんなやすーいものでは半年も清潔さがもたない。

 

 就職活動は社会が学生を改造(改悪?)する期間なので、学生としては毎日「たりない、こうしたほうがいい」と言われたり、何も言われないでお祈りメールを受け取ることの繰り返しで、圧力をびんびん受ける。そうしたときに、本当にお金のない学生は、そもそも他の学生とは同じレベルで戦えていないと感じるだろうし、採用担当者や人事担当が「ぜひ次の説明会にも参加して下さい」とか「身だしなみはスタートラインです」という言葉を口にする時、「参加」するには交通費が、とか、「身だしなみ」には三枚以上のワイシャツが、靴下が、靴が......必要なんだよなあ、と思ってしまう。

 

 今年度の就活は、「説明会」を行うのは3月から、という経団連の方針に依り、「1dayインターンシップ」という言葉が多用されているが、「インターンシップ」なら、給金や交通費を支給してくれ。国かどこかが、そういうところにも配慮していただけないであろうか。

 「お弁当をご用意しています」というインターンが多く、インターン(というか説明会)はためになり、そしてそのお弁当は比較的美味しい物が多いのだが、どちらかといえばお弁当より賃金を支払ってほしい。まあ企業としては説明会をやっているだけでインターンというのは言葉のあやなのだから、給金を支払う必要等どこにもないわって感じなんだけどね。でも朝10時から夕方5時までインターンとなると、バイトしにくいし、そもそも本当のインターンではないから前もって日程が通知されるわけでもなく、開催しますよというときに参加しなければ行けないから毎週シフトで働くバイトは出来ない。でもインターン(説明会)に行かなければ、企業が求めている人はわからない。

 

 あと参加するために3000円徴収する就活イベントとかもあるからね。そのかわり一万円分のビジネス情報誌を差し上げます、とか、いらないです。ネットで読めます。

 こまったもんだ。あとなんで就活のエントリーシートで配偶者の有無を答えなければ行けないのでせうね。楽天のエントリーは一次選考のエントリーからしてすごい数の病気にかかってるか否か、配偶者がいるか否か、聞いてくるものでした。これじゃ、必死な人は嘘でもつかないといけないのかなっておもう。