2018-06-07 土と老人 この辺りの畑と道の境界は不可解だ 波の間にふんわかと湧きだすように 道がある 道を自転車で走ると白い畑に私の影が落ちる 私は一人きりだな そもそもこういう1人の人間だった 1人で生きていくやな人間に まるで青白いアジサイの息吹のように ひんやりと手が伸びた 道に柔らかな土が起こされてかぶって 波間のように誘っている この短い道の上で 落とされた影のしたには あたたかな土が広がっている その上に青白いアジサイが見ている 悠久の時など存在しない