いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

土と老人

この辺りの畑と道の境界は不可解だ

波の間にふんわかと湧きだすように

道がある

道を自転車で走ると白い畑に私の影が落ちる

私は一人きりだな

そもそもこういう1人の人間だった

1人で生きていくやな人間に

まるで青白いアジサイの息吹のように

ひんやりと手が伸びた

道に柔らかな土が起こされてかぶって

波間のように誘っている

この短い道の上で

落とされた影のしたには

あたたかな土が広がっている

その上に青白いアジサイが見ている

悠久の時など存在しない