いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

課長に怒られる

駅が雪崩で電車が止まったんだとぅ
そのような自然にわたしはひたすら感謝しつつ
これ以上踏み違えた恋文を書かなくて良い身になって
いま白雪の待合室の
小さなこの街のジオラマの上で
新しく手紙を書く
明日は隔離実験室で寝るだけ
この手紙はいくまいにも渡り
この半生を反射する

 

 

ジオラマの緑が
裏山を思い出させるなぁ
そんな家に君をすませることはできないだろう
美しく刷り絵のように
豊かに暮らすこともできないだろう
周りの誰にもものひどいやつといわれ
年がら年ぢゅう看板をもち
関節が痛く
うだつがあがらず
誰も助けられないま暮らすだろう

 

 

あなたが好きだと言う気持ちだけを書いた手紙は
ある意味残酷性を無視して嘘に近いかもしれない
誰にも確認できないことだから
まるで幸せになれるように読めるから

それでもわたしはあなたより長く生きて
最後まであなたを幸せにしたい
死んだ後もそこのあぜ道に立っていて
君のために雪を掻きましょう

 

 

コーヒーの表面に込み上げてきた思いは

こんな世界は嫌だ
赤く染まってるし青く染まってるし
ほんとは雪も白くはない
あなたの体内に真っ白な雪が固まって降ってる気がする
無軌道に逃げ出す時に
本当はわたしがあなたを殺してしまうのだという気がする
あぜ道に立っているのは
ほんとはあなたになるような気がする

もっとまっとうにあなたを幸せにできる世界へか

でもそこではあなたには会えないと思う