いのちばっかりさ

生きている記録。生業。放送大学。本を読む。入道雲100年分。

出会った画家(青)

 平日の昼前に私は書店での仕事に出掛けた。早めについたのでぶらぶらしていたのである。すると画家に出会った。その画家は財布から取り出したレシートの裏に絵を描いてくれた。何を書いてくれたかは内緒だ。

 私には自分の未来が見えない。呼吸するように本を読み、思いがけない人に話しかけられる。人生は楽しく、そしてだんだんと所属を失っていく。所属を失っていくことは死への確かな行進のしるしだろうか。そして人に出会い、誰かの現実に引きつけられる。

 左足が疲れてコーヒーを飲むのはいつものことで、そのたび相手はいたりいなかったり。今はただ不意に来た温暖な日を楽しむだけ。日が落ちてもなにか生暖かい12月11日それは今日の話である。



現代語訳 方丈記 (岩波現代文庫)

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